米スポーツ用品大手ナイキ(NIKE)社は、同社が生涯契約を結ぶNBAロサンゼルス・レイカーズのスター選手であるレブロン・ジェームズにちなんで名付けられたイノベーションラボ『レブロン・ジェームズ・イノベーション・センター(LeBron James Innovation Center)』を2021年10月4日にオープンした。米スポーツメディア『スポーツテッキー(Sporttechie)』が同日に報じている。
オレゴン州のナイキ本社に隣接する同施設では、選りすぐりのスポーツサイエンティストが性別、年齢、競技レベル問わず多くのアスリートたちの動作を研究していく予定だ。
スピードの消耗は、初速の俊敏性と身体のブレーキ、つまり加速力と減速力に影響を及ぼすと言われている。そこで同施設を監修する『ナイキ・スポーツ・リサーチ・ラボ』のチームは、適切なトラクションとクッション性を重視したフットウェアを、それぞれのアスリートたちと一緒に開発していくという。
『ナイキ・スポーツ・リサーチ・ラボ』のマシュー・ナース副社長が「地球上で最も先進的なバスケットボールコート」と称するコートを構える同施設には、以下のように様々なテクノロジーが含まれている。
<トレーニングピッチ>
1.壁一面に並んだ100メートルのスプリントトラック
2.疲労のモニタリングを目的とした200メートルのランニングループ
3.傾斜15.63%に設定された150メートル以上のランプ
<バスケットボールコート>
1.約400台のヴァイコン(Vicon)社製カメラを使用した世界最大のモーションキャプチャシステム
2.フロアに敷かれた97台のフォースプレート
3.360度の3Dボディスキャナーを数台完備
レブロン・ジェームズが「サンクチュアリ(聖地)」と称する同施設では、エリート選手に限らず、パフォーマンス向上を目指す全てのアスリートを対象とし、『ナイキ・スポーツ・リサーチ・ラボ』に所属する70名以上のスポーツサイエンティスト監修の下、上述の設備を用いたアスリートの動作研究を行う。そこで各アスリートにあったフットウェアを開発し、パフォーマンスレベルを向上させるのが目的となる。
最先端テクノロジーを用いた同社のイノベーションラボにより、今後多くのアスリートたちが更なるパフォーマンス向上を見込めるようになりそうだ。このような施設の普及によりスポーツ界全体のパフォーマンスレベルがどのように進化していくかに期待したい。
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