NBAアリーナの名称には、通常「アリーナ」や「センター」がつくことが多いなか、クリッパーズの新アリーナは「インテュイット・ドーム(Intuit Dome)」に命名されることとなった。名称に「ドーム」をつけた理由について、「前例のないユニークで新たなバスケットボールのメッカとなるような施設の建設を目指す」と語ったクリッパーズのチェアマンであるスティーブ・ボルマー氏は、インテュイット社とのパートナーシップにより、最新テクノロジーを用いたファン体験の向上、地元地域への社会貢献と経済の活性化を目指すことになるようだ。
▼クリッパーズとインテュイット社による地元地域への社会貢献と経済の活性化
クリッパーズとインテュイット社は、施設の隣接する一角に十分な教育が行き届いていない地域の学生が金融や起業に関する教育を行う「Prosperity Hub School District」と呼ばれるプログラムを提供するほか、低所得者へ無料の確定申告サービスを提供することを発表。学生の教育と並行して、新たな職を生み出すことで経済の活性化を計画しているとのことだ。
2024年にオープン予定であるインテュイット・ドーム内には、「クリックブックス(QuickBooks)」、「ターボ・タックス(Turbo Tax)」、「メールチンプ(Mailchimp)」、「クレジット・カルマ(Credit Karma)」など、インテュイット社が手掛けるソフトウェア・クラウドサービスのプロモーションが行われる予定だ。
▼最新テクノロジー主導の「インテュイット・ドーム」
新アリーナには、ファン体験の最大化を図るため、エイコム(AECOM)社が手掛けるデザインを適用することとなった。観客席をコートにより近い位置に配置すると同時に、レッグスペース等が十分に確保されるよう設計されている。
ファン体験の向上に焦点を当てた設計ポイントは以下の通り。
1. コートにより近い座席設計:視界を遮らない51列のシーティングを両ベースライン側に完備。計5,000人を収容可能なスペースは、ロサンゼルス・レイカーズの本拠地「ステープルズ・センター(Staples Center)』のそれと比して平均約14メートルもコートに近いように設計されている。
2. 十分なレッグスペース:同施設の全ての座席は、NBA施設で最も広い足のスペースが確保される。チケット価格が落ちるアッパーレベルの座席レッグスペースは、ステープルズ・センターのロワーレベルの座席よりも広いスペースが確保されている。
3. サステナブル且つ待ち時間が短縮された設計:95%節水の自動洗浄トイレを1,500台完備し、待ち時間を短縮。コンセッションではスマート決済を導入し、スムーズに飲食・マーチャンダイズが購入できる設計。ソーラーパネルによる電力供給を導入。
果たしてクリッパーズの新本拠地「インテュイット・ドーム」がバスケットボールの新メッカとなるのか、2024-25シーズンよりオープン予定の同施設に注目が集まっている。
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