新型コロナウイルスの影響で世界中のスポーツリーグが中断されるなかで、各放送局がファンを繋ぎとめる為に行っている取り組み、及びその効果を以下の通り分析の上纏めてみた。スポーツコンテンツは正しく活用した場合、やはりかなり強力という事が改めて分かってきた。
バーチャルイベントや過去の名勝負の配信
『ESPN』等の放送局は、NBA選手によるeスポーツ大会やNFLのバーチャル・モックドラフトといったバーチャルイベントの配信や、過去の名勝負の再放送を提供している。
しかし、これらの企画が失われたライブスポーツの穴埋めを出来ている訳では無い。『Samba TV』のデータによると、米国における9つの主要スポーツ放送局(ケーブルテレビ)の視聴者数は、直近90日間でそれぞれ25%以上も減少しているとのこと。
話題のドキュメンタリー番組
『ESPN』が4月19日(同20日)より配信スタート(日本ではNetflixで配信)したマイケル・ジョーダン率いるシカゴ・ブルズが最後に優勝した1997-98シーズンを追ったドキュメンタリー番組「ザ・ラストダンス」が注目を集めている。『ESPN』によると、この番組の最初の2話が配信されたその日、それぞれ平均610万回の視聴回数を記録したとのこと。これは、同メディアが2012年に配信したドキュメンタリー番組「You Don’t Know Bo」の初日の360万回再生を遥かに超え、最も視聴された番組となった。
ジョーダンのドキュメンタリー番組は、数カ月ぶりに世界中のスポーツファンや家族を1つのイベントに引き付ける事に成功している。毎週2話ずつ配信される全10回の同番組は、同メディアが今後5週間のプログラムを構築する上で、大きな土台となるだろう。
これまでの取り組みから分かったこと
スポーツリーグが中断される現在、スポーツ放送事業者はライブスポーツの穴埋めをする為、クリエイティブになる必要があった。これまで各放送局が行ってきた取り組みの中には、『CBS』配信のゴルフ「マスターズ・トーナメント」の再放送(視聴数220万回)の様に成功したものから、NASCARのバーチャルレースの様に出だしは良かったにも関わらず継続的にファンを繋ぎとめる事に失敗したもの、そしてNBAと『ESPN』が共同主催した「HORSEチャレンジ」(視聴数68.6万回)の様に最初から失敗に終わってしまったものまで様々だ。
ここで証明されたのは、ドキュメンタリー番組がファンを魅了する最も効果的な方法の1つである事だ。 これは、最新のドキュメンタリー番組に限ったことでは無い。スポーツのOTT配信を手掛ける『FloSports』のデジタルコンテンツ部門最高責任者によると、この様にコンテンツ不足が続く状況では、過去にリリースされたスポーツドキュメンタリーの再放送もファンの注目を集めているとのこと。
もしアクセスできたら、このコロナ状況下、以下といったスポーツドキュメンタリーでスポーツへの飢えを満たすのはいかがだろうか?
<注目のスポーツドキュメンタリー番組>
・”Jump Shot: The Kenny Sailors Story”- NBAのジャンプシュートは誰によって開発されたかに迫っている。スター選手のステフィン・カリーが制作を手掛けた。
・”Bad Cut”- 格闘家の過度な減量が齎す危険性を取り上げたドキュメンタリー。FloSportsにて24日(同25日)から配信スタート。
・”A Kid From Coney Island”- 元NBA選手のステフォン・マーブリーにスポットライトを当てたドキュメンタリー。NBA選手のケビン・デュラントとその代理人であるリッチ・クレイマンが制作を手掛けている。
スポヲタとしては、コロナが落ち着き、これまでのようにスポーツコンテンツが再開される日が近い事を願っている。
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