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【スタジアム/小ネタ】米国メルセデスベンツスタジアムにみる、完全キャッシュレス化の劇的効果!!


メルセデスベンツ・スタジアムを保有する『AMB Sports & Entertainment(以下、AMBSE社)』は、昨年度から同スタジアムに導入した完全キャッシュレス決済が功を奏し、大幅なコスト削減と飲食におけるコンセッション売上高増加に成功したことを発表。


米大手スポーツメディアのスポーツ・ビジネス・ジャーナルが現地3月9日(日本時間3月10日)に纏めたレポートによると、キャッシュレス化により経営効率が向上した同スタジアムは、昨年に開催された49のイベントを通して合計35万ドル(約3,600万円)のコスト削減を実現させたほか、飲食における一人当たりの平均支出額を16.2%増加させたとのこと。

AMBSE社のCEOであるスティーブ・キャノン氏によると、同スタジアムを本拠地とするアトランタ・ファルコンズ(NFL)とアトランタ・ユナイテッドFC(MLS)を所有する同社がキャッシュレス決済を導入して以降、両チームの飲食における一人当たりの支出額は、それぞれ11%と13%増加したという。また、3年前のスタジアム開設当初からAMBSE社が2ドルのホットドッグとソフトドリンク、5ドルのビールといった低価格コンセッションを導入していることも重なり、ファルコンズの飲食におけるコンセッション売上高は3年連続でリーグトップを記録している。

AMBSE社の調査によると、キャッシュレス化によりピーク時の待ち時間が平均20秒から30秒短縮され、実に95%の来場客が改善を実感したと答えているそうだ。また、時間短縮や大幅なコスト削減に成功しただけで無く、顧客が何処で何を購入したか等のデータを収集する事で、効率的に売上促進を図る事が可能となった。

同スタジアムには、現金使用を希望する者、或いは銀行口座を持たない来場客向けに「Reverse ATM」と呼ばれる機械が設置されており、現金と引き換えにスタジアム内コンセッション他で使用可能なデビットカードを入手する事ができる。キャノン氏によると、昨年来場した2,500万人の来場客の内、約1.2%にあたる3万人が同ATMを使用したとのこと。 【スポヲタ考察】 日本でも楽天がヴィッセル神戸のホームスタジアム(ノエビアスタジアム神戸)で完全キャッシュレス化を進めているが、今回米国での前例が出たことで、今後より多くのスタジアム・アリーナがその流れに乗りやすくなるのではないだろうか。 キャッシュレス化を行う事で、①不要なオペレーションスタッフの排除、②顧客購入データの管理、③待ち時間の短縮が図れる事は、スタジアムオペレーターにとっては願ってもいない事である。現金しか保有していない一定のファンに対しも、上記のように”Reverse ATM”を設置する事で、彼らがスタジアム内で購入できないといった問題は解決できる。 特にサッカーのように売店に人が集まる時間帯(試合開始直前、ハーフタイム)が集中する競技においては、キャッシュレス化による売店での待ち時間の短縮は、大きな効力を発揮すると予想する。

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