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Writer's pictureDr. Goaty

【Dr. Goatyコラム~Vol.1】スポーツサイエンスの最新エビデンス


​​本コラムでは、ニューロサイエンティストで臨床医であるDr.Goatyがスポーツサイエンスの最新エビデンスシリーズをスタート致します。近年、スポーツビジネスにおけるデータサイエンスの重要性はますます高まってきております。スポーツビジネス業界における、最新機器を用いたデータ活用における最新エビデンスを、毎回、神経科学的な切り口を含めて紹介していきます。

こんにちは、はじめまして。Dr. Goatyです。私は臨床医として働く傍ら、神経科学を専門とした研究者である現役の医学研究者です。


スポーツビジネスにおけるデータサイエンスの重要性はますます高まっており、チームにとって、選手個々のパフォーマンス、チーム戦略、ファンエンゲージメントなど、様々な側面においてパフォーマンスの向上、さらには、多くの情報に基づいた意思決定において、重要な役割となってきております。


第1回目は、弊社と業務提携を行っているKINEXON社の ローカルポジショニングシステム(LPS)についてのStudyについて紹介したいと思います。従来の手動でのビデオ解析などを用いた方法では、時間がかかるだけでなく、正確な測定に必要なレベルの精度が得られない場合が多々ありましたが、LPSは、簡便性・汎用性から、スポーツ分野での普及が急速に進んでます。選手やボールの位置をリアルタイムに把握することにより、パフォーマンス分析に重要な、速度、距離、位置の正確な計測を提供することが可能となりました。それらの個々のパフォーマンスデータの解析を行うことによって、選手たちのパフォーマンスの傾向を具体的にData-drivenに把握することができ、選手・コーチは、客観的な視点でパフォーマンスを把握することができます。


しかしながら、新規デバイスにおける LPS の疑問点として、従来の方法と比較して、検証研究がどれだけ信頼性があるかという点が挙げられます。その疑問点に対して、Blaubergerら(2021)は、KINEXON社のLPSを用いて、選手とボールの位置計測の検証研究を行いました。ハンドボールとサッカーそれぞれにおいて、8名のアスリートが実際にそれぞれにおいて特有な動きを含めてゲームを行う中で、LPSによる測定、または、従来法である赤外線カメラによるモーションキャプチャシステムの比較を行いました。結果としては、選手のポジション測定という観点では、ポジション、スピード、加速度によって、微小な差異が見られただけでした。ボールトラッキングについては、やや高い誤差を示したものの、選手のトラッキングにおいては、試合を想定した環境においても、誤差はわずかという結果を示しております。サイエンティフィックな視点で見てみると、新規デバイスで導入された手法が従来の手法と比較して検証するという研究は、より正確な結果・データを得るために大変重要であると思います。よって、本研究の結果から、Kinexon社のLPSは、システムが正しく動作し、正確なデータを提供していることを支持するものであり、ハンドボールとサッカーといったチームスポーツにおける選手やボールの位置を追跡するために、さらなる自信をもって保証するものと言えます。


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いかがでしたでしょうか?

さて、今後も弊社のスポーツビジネスにおけるサービスが、チームやアスリートがより良い判断を下し、パフォーマンスを向上させるのに役立つ貴重な洞察や情報を提供できるように、最新のエビデンスをお届けしていきたいと思います!


参考文献

Blauberger, P., Marzilger, R., & Lames, M. (2021). Validation of Player and Ball Tracking with a Local Positioning System. Sensors (Basel, Switzerland), 21(4), 1465. https://doi.org/10.3390/s21041465


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