今季、創立100周年を迎えた米アメフトリーグ(NFL)の開幕に先駆け、米大手通信キャリアのAT&TとVerizonが5Gを活用したスタジアムを発表し、スポーツ施設のスマート化が注目を集めている。
今年2月、AT&Tがダラス・カウボーイズの本拠地「AT&Tスタジアム」に米国初となる5Gの活用を開始すると、ライバル企業であるVerizonも2019-20シーズン開幕日となる9月5日から13のNFLスタジアムにて5Gの導入を開始した。
本邦でもNTTドコモがラグビーワールドカップ(W杯)2019日本大会で5Gサービスを試験的に導入した他、KDDIや楽天モバイルによる5Gを活用したスタジアムのスマート化計画が進められており、この傾向は2020年東京オリンピック開幕へ向けて加速していく事が予想される。
5Gによるスマートスタジアム化は、ARやVRを軸とした新サービスの導入により観戦体験に付加価値を提供できるだけでなく、入場やコンセッション等の会場内における混雑の緩和、警備の強化、そしてファンデータの収集や活用といった分野においてもメリットがあるだろう。
5G時代に先駆け、欧米や本邦でスタジアムのスマート化が進む中、今回は米国初の5Gスタジアムを開始したAT&T社とカウボーイズの観戦体験における取り組みについてご紹介したい。
①『Pose with the Pros』(バーチャル選手との記念撮影)
スタジアム内コンコースのピラーに設けられたタッチスクリーンモニターからバーチャル選手を選択し、記念撮影ができるという新サービスを開始。
②『Hype Up Chants & Hall of Heroes』
Samsung Galaxy S10 5Gのカメラを起動し、特定の場所へ向けて翳すと選手の特大立体映像(約11メートル)が映し出されるというサービスだ。会場外観に映し出されるバーチャル選手が、「タッチダウンダンス」や「気合入れ」を唱えるといった新たなファン体験を提供している。
③『Live Game Stats & Time Tackle』
Samsung Galaxy S10 5Gを翳すと、観客席の何処からでもARにより可視化されたライブスタッツを見る事ができるサービスを開始。スタジアムの臨場感を味わいながら、従来はテレビでしか得られなかった可視化されたライブスタッツを見られるとあって注目を集めている。また、ハーフタイム中に開催されるARゲーム『Time Tackle』では、ロボットディフェンダーをかわしながらエンドゾーンを目指すというアクティベーションゲームを提供。
ライブスタッツの可視化サービス:
ARゲーム:
終わりに
5G時代へ向け、今後も様々な新サービスが世界中で導入される事が予想される。本邦でもIoTを活用したスマートスタジアムは徐々に普及してきており、来場者のエンゲージメント獲得に大きな効果を発揮している。今後5Gが本格的に導入される様になると、スタジアムのスマート化は更に加速し、スポーツは確実に【観戦】から【体験】するものへと進化を遂げる事になるだろう。
尚、米国スポーツリーグやチーム、そしてスポーツテック企業と関りのある弊社では、本邦のスポーツチームやスポーツ関連企業向けに、米国で開催されるスポーツ大会やEXPO等のアテンド、及び紹介も行っている。
【告知】米ジョージア州アトランタにて、最新スポーツテック情報を扱う米メディア大手SportTechie主催のスポーツ施設スマート化に関するカンファレンスが開催されます!
【SMART VENUES:OPERATIONS TECHNOLOGY】
日時:現地2020年1月15日 13:00~19:00
場所:Atlanta, Georgia
お問い合わせはこちらから!
contact@sportajapan.com
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